P2Pやトレントに使える無料VPNを探してググってみると、どういうわけか月額1,500円もする高額なE×pressVPNを外人たちがステマのように紹介しています。
無料じゃないのかよ。
30日以内に解約すると返金してくれるから「30日間は無料」とでも言いたいらしい。
それなら、返金期間があって、月額500~600円でトレントに使えるもっと良いVPNがあります。
P2Pやトレントに無料VPNを使っても、それは使ってないのと同じです。いや、使ってない方がまだマシかもしれません。
- セキュリティやプライバシー保護が弱い。
- IPアドレスやログがデータとして残る。
- 通信データ量を制限している。
- 利用者の個人情報をリスト化して売っている。
- VPNアプリにマルウェアを仕込んでいる。
それでも「無料VPNでいい」という人に、無料VPNの有名どころを紹介します。もちろん、日本人の私が書いた日本人向けの記事です。
目次
トレントに使える無料VPN
- トレントに使えるのは有料VPNの無料プラン。
- トレントが許可されている。
- 通信量に制限はあるが動画数本分くらいはある。
- ログなしVPNであることを表明している。
正直なところ、無料VPNをトレントに使うことを推奨したくありません。
VPNは世界中に多数あるものの、多くの人に選ばれて長い運用実績を持っているのは結局、有料VPNであるという事実のとおりです。
無料VPNのほとんどが海外のVPNなので、公式サイトやVPNアプリが日本語に対応していません。
不具合があった場合のサポートも英語だったり、VPNアプリも変な日本語だったりするので、日本人は使いにくいと感じるはずです。
それでも、無料でVPNを使いたい人は一度、選んでみてもよいかもしれません。
完全無料のVPNではなく、無料プランを持つVPNなら、実用レベルのセキュリティや機能を期待できるものがあるにはあります。
Windscribe
- 有料VPNだが無料プランあり。
- 76ヵ国にサーバーあり。
- データ通信量には上限があり月2GBまで。
トレントで使える無料VPNなら、Windscribeが最適でしょう。
無料VPNのほとんどはデータ通信量を制限していますが、そのなかでもっともデータ通信量が多いVPNです。
ただし、動画などの大容量データをトレントする場合はすぐに足りなくなるでしょう。画像や音声データをDLするくらいなら十分かもしれません。
無料プランで使ってみてから、有料プランを契約してもよいでしょう。ただ、Windscribeの有料プランは月々800円~なので、もっと安くてトレントに最適なVPNを検討する方が得策です。
TunnelBear
- 有料VPNだが無料プランあり。
- 43ヵ国にサーバーあり。
- データ通信量には上限があり月500MBまで。
TunnelBearは、無料VPNとしてよく紹介されているVPNサービスのひとつです。
トレントに使える無料VPNとしては、データ通信量が少なすぎるのが難点です。
月500MB(≒0.5GB)の制限があるため、トレントで動画をDLするのは無理でしょう。画像や音声データをいくつかDLするくらいならなんとかなりそうです。
TunnelBearの有料プランは$4.99(月々700円程度)になります。もっと安くてトレントに最適なVPNを検討する余地があります。
トレントに使えない無料VPN
- セキュリティやプライバシー保護が弱い。
- IPアドレスやログがデータとして残る。
- 通信データ量を制限している。
- 利用者の個人情報をリスト化して売っている。
- VPNアプリにマルウェアを仕込んでいる。
筑波大学VPN Gate
- ボランティアで提供されているVPNのなかから選んで利用できる。
- 接続状態が不安定でよく切れる。
- 通信速度が遅い。
- ログなしVPNではない。
筑波大学が学術実験として公開しているVPNです。ボランティアで提供されている世界中のVPNの中から選んで利用できます。
そのほとんどが海外のボランティアVPNであり、大学や個人が実験的に作ったようなVPNも提供されています。
運営者の名前(団体名)は記載されていますが、実際はどういう人(団体)なのか、無料で提供する意図が分らないのが不安な点ではあります。
ボランティアなので善意で提供されていると思いがちですが、悪意のある提供者も混ざっている可能性は否めないところです。
接続状態が安定しないVPNが多いです。また通信速度もかなり遅いため、トレントに使うとDLに何日もかかってしまうことがあります。
VPNネコ
- 無料VPNアプリで有名。
- 運営者が不明。
- セキュリティをまったく信用できない。
- ログなしVPNではない。
VPNネコは「無料VPN」で検索すると必ず出てくるVPNアプリです。が、むしろ使ってはいけないVPNの一つです。
運営者がたびたび変わっており、所在はあきらかにされていません。
このVPNアプリは、中国(または中国政府に近い機関)が利用者の情報を収集するために無料で提供している疑いがあります。
スマホ用のVPNアプリがリリースされていますが、インストールすべきではありません。可愛いネコに釣られてインストールしないように。
もちろん、トレントに利用することもできません。
多数の中国人によって高評価を得ていますが、この評価も胡散臭いものです。セキュリティもプライバシーも何も信用できないVPNアプリです。
ひとことで言うと「クソVPNアプリ」です。
ProtonVPN
- 無料プランを持つVPNのなかでもっとも有名。
- VPNやメールなど高セキュリティのサービスを提供。
- 月額利用料が他の有料VPNよりも若干高め。
- 無料プランはトレントの使用が許可されていない。
ProtonVPNは、世界中で多くの利用者に使われているもっとも有名な無料VPNです。正しくは、無料プランを持つVPNです。
Protonはセキュリティの高いサービスを提供しており、VPNのほかにも強力にプライバシー保護されたメールサービスが有名です。
ただ、ProtonVPNの無料プランはトレントが許可されていないのが残念なところです。
ProtonVPNの無料プランは、有料プランにする前にお試しで使ってみたい人に向けたプランにすぎないということです。
無料VPNは何が違う?
無料VPN | 有料VPN | |
---|---|---|
料金 | 無料 | 500円~ |
サーバー台数 | 1台~数十台 | 数千台 |
データ通信量 | 制限あり | 無制限 |
転送速度 | 遅い | 速い |
広告表示 | あり | なし |
ログデータ | 取得・保持 | ノーログ |
VPNアプリ | 日本語が変 | 日本語対応 |
P2P/トレント | 不可・制限あり | 利用可能 |
無料VPNと有料VPNは、サービスの質がぜんぜん違います。当然、有料VPNのほうが充実しており、P2Pやトレントでのファイル共有にも適しています。
トレントで使うVPNは、ログなし(ノーログ)が望ましいです。
ノーログとは
VPN側がログを保存しない(No-Log)ということ。このようなVPNはログなしVPNとも言われる。「いつ誰がVPN接続して何をした」というデータが無いため、追跡が不可能になる。
しかし、無料VPNの多くはデータ保持法がある国で運用されており、そのためほとんどが利用者のログデータを保存するVPNです。
ログデータを保存するVPNをトレントで使うと、DLやULをした痕跡を残すことになります。まちがって著作物をDLしたりすると、不法行為の証拠になってしまいます。
有料VPNにはログなしのものがあります。有料といっても月額500円程度で安全なVPNサービスを利用できるわけです。
結局のところ、トレントで安全にファイル共有するなら、わざわざリスクを取って無料VPNを選択することはありません。
DLやULの痕跡・証拠が残らないログなしVPNを使うのが正解です。
有料のVPNでも安いのがあるんだ。
トレントでファイル共有するなら、無料より有料のちゃんとしたVPNじゃないと心配なんだよね。
無料VPNを選ぶポイント
- 無料であること
- トレントの使用が許可されていること
- データ通信量が十分であること
- ログなしが保証されていること
- サポートが日本語対応であること
無料VPNを選ぶときのポイントは、トレントで使用できるだけの性能・機能を持っているかどうかというところです。
そもそもトレントに使用できない無料VPNもあります。
また、トレントでのファイル共有では、うっかり著作物をDLしてしまうこともあるかもしれません。
利用者のログ(使用履歴)が残らないログなしVPNであることが、トレントで使えるVPNの重要な条件です。
無料であること
無料VPNのなかには、表向きは「無料」であるように見えて、あとから利用料を請求したり、手違いで有料プランに誘導する罠が仕組まれているものも多くあります。
本当に無料で使えるVPNを探すのは難しいことです。
無料VPNらしきサービスを見つけたときは、それが本当に無料であることをしっかり確認する必要があります。
無料VPNのほとんどが海外のサービスなので、英語を翻訳しながら確認していくことになるでしょう。
トレントの使用が許可されていること
無料VPNは、そもそもVPNサーバーの台数が少なく、多数のユーザーが大量のデータ通信をおこなうことに耐えられません。
P2Pやトレントでは比較的大きなデータがやりとりされるため、無料VPNはトレントの使用を許可していないところが多いです。
トレントでの使用が許可されていることを確認する必要があります。
データ通信量が十分であること
無料VPNの多くは、月々のデータ通信量を制限しています。
P2Pやトレントで扱うデータが大きい場合は、データ通信量がすぐに足りなくなってしまうでしょう。
たとえば、2時間くらいの動画では7~8GB、画質が良いと15GBくらいのデータ量になります。漫画の場合は冊数によりますが、やはり数GBのデータ量です。
無料VPNを選ぶときは、データ通信量が自分の目的に合っているかどうかという点も考慮しなければなりません。
ログなしが保証されていること
無料VPNのほとんどは、データ保持法がある国で運用されています。
データ保持法によって利用者のログ(使用履歴)を保存することが義務付けられているわけです。
ログが残るということは、トレントの使用履歴も残るということです。
トレントで間違って著作物をDLしてしまったときは、そのログが残ります。これは捜査が及んだ場合に証拠となります。
VPNを使って安全にトレントする方法は、ログが残らないVPNを使うこと。トレントするときの鉄則です。無料であっても必ずログなしVPNを選ばなければなりません。
トレントに無料VPNを使うリスク
- セキュリティやプライバシー保護が弱い。
- IPアドレスやログがデータとして残る。
- 利用者の個人情報をリスト化して売っている。
- VPNアプリにマルウェアが仕込まれていることがある。
- 悪質な広告やポップアップが表示されまくる。
- サポートが日本語ではない。
トレントに無料VPNを使うのは、リスクが大きいと感じます。
完全無料のVPNというのも多数ありますが、どうやって無料でサービスを維持できるのかが不明です。
世界中の利用者の通信をさばくためには、世界各国に接続サーバーを設置して維持しなければなりません。相当なお金が必要になるはずです。
VPN本来のセキュリティやプライバシー保護の技術開発にもお金がかかります。無料VPNの場合は、利用者から料金を取ることなく、どうやって資金調達しているのかが疑問です。
VPNアプリに広告を表示しまくってみたり、利用者の個人情報を売ったりして資金調達しているVPNもあります。
悪質な場合は、アプリにマルウェアを仕込んで詐欺みたいにお金を取ろうとするVPNも見かけます。
マルウェアが確認されたVPN
TurboVPN、BetternetVPN、CrossVPN
また、無料VPNのほとんどが海外のVPNであるため、日本語でのサポートは期待できません。
こういったリスクを考慮すると、トレントに使えるVPNを選ぶときには、完全無料のVPNではなく、必然的に有料VPNの無料プランを選択することになるわけです。
IPアドレスやログが残ってしまうようなVPNは、トレントには適しません。間違って著作物をDLしてしまったようなときに、証拠が残らないVPNを使うのが安全策になります。
まとめ
- 多くの人に選ばれて長い運用実績を持っているのは結局、有料VPNである。
- 完全無料のVPNではなく、無料プランを持つVPNなら、実用レベルのセキュリティや機能を期待できるものがあるにはある。
- トレントで使うVPNは、ログなし(ノーログ)が望ましい。DLやULの痕跡・証拠が残らないログなしVPNを使うのが正解。
- VPNアプリに広告を表示しまくってみたり、利用者の個人情報を売ったりして資金調達しているケースがある。
- 悪質な場合は、アプリにマルウェアを仕込んで詐欺みたいにお金を取ろうとするVPNも見かける。
- トレントに使えるVPNを選ぶときには、完全無料のVPNではなく、必然的に有料VPNの無料プランを選択することになる。
- 返金期間があって、月額500~600円でトレントに使えるもっと良いVPNがある。